はじめに
Pythonを学び始めたばかりの方、コードを書いていて「これって正しいの?」と悩んだことはありませんか?実は、Pythonには公式のルールブックがあり、これを知ることで多くの悩みが解消されます。
このルールブックは「PEP」と呼ばれ、読み方は「ペップ」です。PEPはより良いコードを書くための道しるべとなります。
この記事では、なぜこのルールブックが大切なのか、そしてどの部分を覚えておくべきかを、分かりやすく説明します。PEPを理解することで、あなたのコードは読みやすく、効率的になります。さあ、一緒にPythonの世界をより深く探ってみましょう!
PEPとは?
PEP(Python Enhancement Proposal)は、Pythonの新しい機能の提案、ルールの文書化、情報の提供などを行うための公式な文書システムです。PEPは以下の3つの種類に分けられます。
- 標準トラック PEP: 新しい機能や実装の提案
- 情報 PEP: Pythonに関する一般的な指針や情報
- プロセス PEP: Pythonに関連する進め方の提案や変更
なぜPEPが重要になったのか?
PEPが重要になった理由を、分かりやすく説明します。
- みんなが同じルールで書けるようにするため: Pythonを使う人が増えてきて、コードの書き方がバラバラだと読みにくくなってしまいます。PEPがあることで、みんなが同じルールでコードを書けるようになりました。(一貫性の確保)
- 新しいアイデアをみんなで話し合うため: Pythonをもっと便利にするためのアイデアが出たとき、それについてみんなで話し合って決めるための場所が必要でした。PEPがその役割を果たしています。(合意形成)
- 大切なことを忘れないように書き残すため: Pythonについての重要な決まりごとや情報を、きちんと整理して書き残しておく必要がありました。PEPはその記録係のような役割をしています。(文書化)
- 誰でも参加できるようにするため: Pythonがどのように変わっていくのか、その過程を誰でも見られるようにして、興味のある人なら誰でも参加できるようにする必要がありました。PEPによって、そのプロセスが明らかになりました。(透明性の確保)
覚えておくべき主要なPEP
PEP 8: スタイルガイド
PEP 8は、Pythonコードの書き方に関する標準的なルールブックです。
主な内容
- 字下げ: 4つの空白を使う(タブは使わない)
- 行の長さ: 1行は最大で79文字まで
- 名前の付け方: 関数や変数の名前は小文字とアンダースコア、クラスの名前は大文字で始める
- 取り込み方: 標準のもの、外部のもの、自分で作ったものの順に書く
PEP 8の詳細は下記の記事を読んでください
PEP 20: Zen of Python
PEP 20は、Pythonの考え方を示した短い文書で、「Zen of Python」とも呼ばれます。
主な原則
- 美しいものは醜いものより良い
- 単純なものは複雑なものより良い
- 読みやすさは大切
PEP 257: Docstring Conventions
PEP 257は、Pythonのコードの説明文(docstrings:ドックストリングス)の書き方に関するルールです。
主な内容
- 1行の説明: 簡単な説明を1行で書く
- 複数行の説明: 詳しい説明を複数行で書き、改行で区切る
PEP 484: Type Hints
PEP 484は、Pythonで型(タイプ)を示す方法を定めています。
主な内容
- 関数の入力と出力の型を示す
- 変数の型を示す
その他の覚えておくべきガイドライン
Google Python Style Guide
Google Python Style GuideはGoogleが社内で使っているPythonの書き方のルールです。PEP 8とよく似ていますが、少し違うところもあります。最初はPEP 8を中心に学び、慣れてきたらGoogle Style Guideの違いについて学ぶとよいでしょう。
まとめ
Pythonの公式ルールブック(PEP)を学ぶことは、Pythonプログラミングの世界で大きな一歩を踏み出すことです。特にPEP 8、PEP 20、PEP 257、PEP 484は、初めて学ぶ人が最初に覚えておくべき大切な文書です。これらのルールを理解し、実践することで、あなたのコードは大きく良くなるでしょう。
PEPは単なる決まりごとではありません。それは、より効率的で、読みやすいコードを書くための道しるべです。この記事で紹介したPEPを日々のコード作成に取り入れることで、あなたは確実にPythonの達人への道を歩み始めることができます。
Pythonの世界は広く、常に進化し続けています。これらのルールを理解することは、この素晴らしい言語とその仲間たちの一員となるための大切な第一歩なのです。さあ、公式ルールブックを味方につけて、Pythonプログラミングの冒険に出かけましょう!